吾妻連峰北面を流れる前川の上流。滑川とも呼ばれるが、滑川とは大滝沢を指すのか、前川全体を指すのかは良く分からない。
とにかく名の通り滑の多い美しい沢で、そこに掛かる滑川大滝もまた名高い滝である。
|
入山口は滑川温泉。 手前の橋の所に7〜8台の駐車スペースがあり、 前夜はそこに車を停めて車中泊。 ここへは国道13号沿いの板谷から入る。深夜に走っていると心細くなってくるような、人家も無い細くて寂しい道を走り、2つの峠を越えて到着する。
このところ大気が不安定で毎日のように雷雨のある天気なので、午前中に沢を抜けたいと、朝は早めに出発する。出発4:50。
大滝沢に入って間もなく20mの滝が現れる。 これは水流の直ぐ左の岩を登る。早朝の起き抜けのまだ調子の出ないコンディションでは、滑りそうで嫌な感じ。
しかしこれですっかり眠気は覚めてしまった。 さらにその先は文字通り 「目も覚めるような」綺麗な滑が続く。
この辺りの地質は鉄分が多いようで、そのために沢の岩は赤く染まっている。水も金臭くて、あまりがぶ飲みすると腹をこわしそう。
赤い滑の続く中を越えて行くと、やがて大滝が姿を現す。落差120m、まさに壮観と言うべき、巨大でかつ美しい滝である。大滝下5:50。 |
 |
|
 |
 |
 |
 |
大滝沢最初の滝。
水流の左側を登る
|
その上の支流の滝 |
いよいよ綺麗な滑の始まり
|
流れ落ちる水流
|
 |
 |
 |
 |
大滝まで続く滑
|
大滝の全貌が姿を現す |
近くから見上げる大滝
|
高巻き途中からの大滝 |
|
大滝の高巻きは左横にあるルンゼを登って尾根に取り付く。120mの大滝の落ち口の高さまで登るのだから、けっこう大変な高巻きになる。
ただし踏み跡はっきりしていて、 真っ直ぐ登ったあと、トラパースにかかるところでルートを間違えなければ特に難しい所は無い
（一度間違えてえらく怖そうな所に出たが、もう一度探し直すと簡単な所にルートがあった）。
大滝から先もまた大いに楽しめる所。 ほとんど途切れることのない滝の連続となる。それぞれ個性があって、ルートの取り方もさまざま。それ程難しい所もなく、ひとつひとつ工夫しながら越えて行く。
この辺りしばらくは時間の経過も忘れる。
|
 |
 |
 |
 |
大滝から先も滝が続く
|
水流が美しい幅広滝
|
自然の造形の妙か
複雑な形の滝
|
これは水流の右を登れるが、
かなり濡れる。
|
|
最後に急な連瀑帯を越えると後は穏やかな流れとなるが、まだまだきれいな滑が続く。
やがて鉱山跡の吊橋が頭上に掛かる所を過ぎるとようやく滑も無くなり、大岩が沢を埋めて、今度はいちいち岩を越していくのに労力を取られるようになる。
そのうち左から滝が連続する支沢が合流して来る。こちらの方が快適そうなのでこの支沢に入る。滝場を抜けると
登山道が横切っている所へひょっこり出て、ここで遡行は終了。潜（もぐり）滝までは登山道を辿ることでだいぶん時間短縮もできた。潜滝着10:10。
潜滝は名の通り岩の窪みの中に潜り込んだようにして落ちている、珍しい形をした滝である。
|
 |
 |
 |
 |
| 上部の連瀑帯 |
連瀑帯の途中の滝。
これも面白い姿をしている
|
連瀑帯の最上部
広い岩のテラスになっていて
一休みしていって下さいと言
わんばかりの所 |
連瀑帯の先は穏やかな滑となる |
 |
 |
 |
 |
光る滝
|
ハクサンシャジンか
青い色が沢の中で良く目立つ
|
チョウジギク
|
岩に潜ったような潜滝
|
|
せっかくここまで来たのだからと、潜滝から東大巓（てん）に向かう。
しかしここから東大巓までの標高差は約550m、この登りは沢を一本登ったあとでは結構辛いものがある。
とにかく急坂を登り切って明月荘に着いたのが11:50。 明月荘とは弥兵衛平の避難小屋に付けられた名前で、明月湖の畔に立っている。
2階建ての立派な小屋で、ここで１泊して弥兵衛平湿原などのんびり廻って見るのも良さそうだなどと思ったりする。 明月荘から東大巓までの間は、広々とした弥兵衛平のスロープを登って行く。 東大巓まで登ると、なだらかに続く吾妻連峰の展望が開ける。 わざわざ登ってきた甲斐が有ったという気分。東大巓着12:20。
あとは潜滝まで戻り、その先は鉱山の名残かトロッコの軌道の残る登山道を辿って滑川温泉に下る。
途中の大滝の展望所は、大滝の一部しか見えないが、大滝へ下るらしい道がついている。滑川温泉着16:00。
沢は良かったし、吾妻の稜線の雰囲気も味わえ、心配していた雷雨にも出会わずと、まずは上々の一日であった。
|
 |
 |
 |
 |
| 明月湖と東大巓 |
明月荘周辺の湿原
明月荘の屋根が見える
|
弥兵衛平風景
|
ミヤマリンドウ
弥兵衛平周辺に多い
|
 |
 |
|
|
東大巓からの吾妻連峰の眺め
右奥は東吾妻山 |
風渡る草原
奥は中吾妻山
|
|
|
|
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)